History of
Alden Shoe
Company
当時の職人がフィーチャーされたポスター。靴作りへの真摯な姿勢が窺えます。
創業者であるチャールズ・H・オールデンの肖像。1931年の退職時に、経営権は提携していたターロウ家へと受け継がれ、以来オールデンは一族経営が続いています。
ALDEN SHOE COMPANYは1884年、マサチューセッツ州ミドルボロウに、チャールズ・H・オールデンによって設立されました。今でこそアメリカ既成靴の最高峰ブランドとして知られていますが、初期の製品はカスタムメイドのブーツや、受注生産による紳士靴でした。 1892年、生産ラインの拡張に伴い、工場はマサチューセッツ州のノースアビントンに移され、1931年に同州ブロックトンへ移ります。1931年は創業者オールデン氏が退職し、現在4代に渡りブランドを経営する、ターロウ家へと経営権が受け継がれた年でもありました。
1970年にミドルボロウへ建設された工場。現在もここでオールデンの靴が作られています。
1970年には、近代的な設備を備えた工場をミドルボロウへ建設。
オールデンの靴は、現在もこの工場で作られています。 極めて上質な素材を用いたトラディショナルなグッドイヤーウェルテッド靴の生産に加えて、オールデンは足に問題を抱えた人も快適に履くことのできる医療用矯正靴の分野を開拓しました。内振りのカーブが強い、モディファイドラストを用いたシューズがこれに当たります。 素晴らしい履き心地の追求は、オールデンのアイデンティティそのものです。矯正靴の研究、開発で培った技術は、あらゆるオールデンシューズをより快適で履き心地のよいものとすることにも、大きな貢献を果たしています。
Making of
Alden Shoes
オールデンのグッドイヤーウェルテッドシューズは、アッパーに用いるレザーの厳格な品質チェックに始まり、ライニングレザーの貼り合わせ、ソーイング、木型への吊り込み、フィニッシングetc.と、約200にも及ぶ多様な工程を経て完成します。スキンステッチモカなど1針1針を手作業で入れる工程が要されるものもあり、メイキングには高度な職人技が欠かせません。130年を超えるブランドの歴史とメイド・イン・USAの誇りが、オールデンのシューズの高い品質を支えています。
01. Leather Room
毎朝必ず行われているのが、レザーの品質検査。朝に行うのは柔らかな自然光の元でレザーを見るためで、キズはもちろんのこと、血筋の有無や、力を加えてシワが入らないかどうかまでくまなくチェック。最上の革のみを使用します。こと細かな検査が求められるコードバンは、社長自らが行う徹底ぶりです。
02. Cutting Room
革のキズ、ブク、血筋等悪い個所を見ながら、部止まり良く裁断をしていく。コードバンにおいては、表面のシェービングの流れを見ながら裁断するので、長年の経験を要した職人が行う。
03. Stitching Room
型抜きされたアッパーレザーを縫い合わせる工程です。縫製にはミシンが用いられますが、当然ながらそのミシンを操作するのは人の手。美しく縫うには、熟練職人の経験がモノをいいます。ちなみに、ウィングチップなどの穴飾りがあるシューズは、ソーイング作業の前に意匠入れ(パンチング)が施されます。
04. Lasting / Making Room
縫製したレザーを木型に被せ、力を加えて引きのばすことで、木型の形にアッパーを形成する作業が吊り込みです。コードバンやカーフ、スエードといったレザーの種類や、用いる木型のシェイプによって吊り込みに最適な力が異なるため、オールデンではコンピューター制御によってマシンの力をコントロールしています。
05. Hand Sewing
タンカーブーツやペニーローファーは、モカ部を手縫いによるスキンステッチで縫合します。表から入れた針を裏へ出さないよう通し、波打つような紋様を表現するこの特殊な縫製ができるのは、工場でも2、3人の職人だけ。こと繊維が緻密なコードバンを縫うには、1足で小1時間ほどの大変な労力が要されます。
06. Goodyear Welted
オールデンのシューズは、ソールの張り替えが利き、長きに渡る愛用に耐えうるグッドイヤーウェルト製法で作られます。まず、アッパーにリブと呼ばれる連結パーツを縫い付け(すくい縫い)、そのリブをソールに縫い付ける(出し縫い)のが、このトラディショナルな製法の特徴であり、高い耐久性の源です。
07. Cork
オールデンのシューズには、インソールとアウトソールの間に、松脂を練り込んだコルクが詰められています。コルクにはシューズへクッション性を持たせるほか、足型に沿って沈ませることで、よりフィット感を高める狙いがあります。最高の履き心地を追求するオールデンは”コルクたっぷり”が伝統です。
08. Finishing Room
ウエルトとアウトソールを縫い合わせた底廻りを熟練の職人が回転するカッターにコバを押し当てて上下のブレ無く同一の幅に削っていく。その後コバに塗料を塗り、布バフでワックス掛けをし、丁寧に磨き、光沢を出しながら仕上げる。
09. Dressing Room
汚れを取り、仕上げ剤クリームを塗り、ブラシ掛けバフ掛けを何度も行い、両足がきれいな艶で整うようにオールデンが長年培ってきたコードバンの仕上げ技術の見せ所です。
10. Packing
中敷が貼られ最終検品が終わった後、靴箱に品番・サイズが打たれ、シューバッグと共に箱詰めされ世界中に出荷されます。